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​メンタルヘルス

メンタルヘルスとは?​ 

 メンタルヘルスとは、「こころの健康」を意味しており、メンタルヘルスを保持・増進することへの関心が高まっています。

特に、労働者を取り巻く環境は日々変化しており、多様な価値観による人間関係の複雑化、雇用形態の多様化、長時間労働などはじめ、近年ではコロナ禍における在宅勤務、孤立・孤独化、コミュニケーションスタイルの変化などが拍車をかけ、

メンタルヘルスに不調をきたす人が増加しています。そのため、各企業・事業所では労働者のメンタルヘルス不調を予防するために様々な取り組みが行われています。

メンタルヘルス問題の現状​ 

【労働者のストレス状況】

​ 厚生労働省の「労働安全衛生調査」の結果によると、日本の労働者の半数以上の人が、現在の仕事や職業生活に関することで

強い不安やストレスとなっていることがあると感じていることがわかります(図1)。

 図2はその具体的な内容になりますが、「仕事の量」がもっとも高く、42.9%の労働者が仕事量に対するストレス、負担感を

​感じていることが明らかになっています。次いで、「仕事の失敗、責任の発生等」「仕事の質」「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」などが高く、これらについてストレスを感じている労働者が多いことが示されています。

​図1 仕事に関するストレスがあると感じている労働者の割合

ストレスを感じている労働者の割合

厚生労働省​「労働安全衛生調査」のデータより作成

​図2 仕事や職業生活に関するストレスの内容

ストレスの内容

厚生労働省​「労働安全衛生調査」のデータより作成

【精神疾患患者数の推移】

​ 図3は厚生労働省の「患者調査」の結果です。

本調査によると精神疾患を患う人は年々増加しています。

中でも、メンタルヘルス疾患と言われるうつ病やストレス

関連障害の患者数は特に増加しており、H29年の結果では

総患者数の約50%をメンタルヘルス疾患が占めています。

 本調査からも仕事上のストレス、負担感が強くなり、

うつ病やストレス関連障害を発症し、受診する労働者が

​増加していることが示されています。

​図3 精神疾患患者数の推移

精神疾患患者数

厚生労働省​「患者調査」のデータより作成

【メンタルヘルス不調による労働損失】

​ 表1は精神疾患の社会的コストに関する研究の結果です。

本研究によると、うつ病の社会的コストは年間で約3兆円、

不安障害は約2.3兆円とされています。

 特に注目すべきはabsenteeismとpresenteeism(赤字)という項目です。うつ病で約1.5兆円、不安障害で約1.3兆円とそれぞれ

全体の50%以上を占めています。

 absenteeism(アブセンティーズム)は、休職による労働損失を表しています。労働者がメンタルヘルス疾患を患い、休職することで、

欠員が生じますが、それに伴う労働力・生産力の損失のことです。presenteeism(プレゼンティーズム)は、生産性の低下による労働損失を表しています。メンタルヘルスの不調により、様々な精神機能・運動機能が低下します。何とか出社はしているが、不調により本来の働きができずに生産性が低下することによって生じる損失のことです。他にも、企業イメージの低下や職員への負担増など、労働者がメンタルヘルス疾患に罹ることで企業や事業所側にも様々な損失が生じると考えられています。

​表1 うつ病と不安障害の疾病費用

社会的コスト

学校法人慶應義塾​「精神疾患の社会的コスト」,2011.

国のメンタルヘルス対策​ 

 我が国でも上記のようなメンタルヘルス問題を解決するために、様々なメンタルヘルス対策が行われています。

【職域におけるメンタルヘルス対策に関する主な施策】

 ▶ 平成16年10月 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 公示

 ▶ 平成17年11月  労働安全衛生法改正(面接指導の義務化)

 ▶ 平成18年  3月 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 公示

​ ▶ 平成21年10月  働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」 開設

 ▶ 平成24年  7月 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」 改訂

 ▶ 平成26年  6月 「労働安全衛生法の一部を改正する法律」 公布

​ ▶ 平成27年11月 「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」 改正

 ▶ 平成27年12月  ストレスチェック制度 開始

 ▶ 平成30年  7月 「働き方改革を推進する関係法律の整備に関する法律」 公布

 ▶ 令和  2年  6月  改正労働施策推進法(パワーハラスメント防止法) 施行

企業におけるメンタルヘルス対策​ 

 各企業・事業所においても労働者の心の健康を保持増進するための対策を行うことが求められています。

​労働安全衛生法第69条においても、「事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を

図るために必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない」と規定されており、事業者は労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」に基づき、ストレスチェック制度の実施など労働者のメンタルヘルスケアに取り組む必要があります。

【職場におけるメンタルヘルスケアの取り組み】

 □ 「心の健康作り計画」の策定

 □ ストレスチェック制度や職員への教育研修などメンタルヘルス不調を未然に防止につながる取り組み(1次予防)

 □ 産業医や外部専門機関の活用、相談窓口の設置などによるメンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応(2次予防)

 □ メンタルヘルス不調となり、休職した労働者への職場復帰支援(3次予防)

​ □ 4つのケア(セルフケア、ラインケア、事業場内資源によるケア、事業場外資源によるケア)の推進  など

ソフィアの​メンタルヘルス支援

 当施設では、事業所やそこで働く労働者を対象に、公認心理師・臨床心理士などの心理学の専門職を活用したメンタルヘルス支援を

提供しています。また、特に医療的なケアが必要となる場合には、母体である第二病院とも連携・協働しながら、支援を行っています。

ソフィアのメンタルヘルス支援

​□ 従業員への心理カウンセリング

 (訪問または来所による個別カウンセリング)

□ 管理責任者や産業保健スタッフへの事業所内のメンタルヘルス

  対策や従業員への対応等関する助言・コンサルテーション

□ ストレスチェックの実施(実施から分析まで)

​□ 心理検査を用いた従業員の心理アセスメント

□ ストレスやメンタルヘルスに関する従業員への教育研修 など

​第二病院のメンタルヘルス支援

​□ 医師による診療

□ 休職中の労働者を対象とした職場復帰プログラムの実施

​□ ストレスチェックの実施(実施から分析まで)   など

​連携・協働

​各企業や事業所の現状やニーズに応じた支援を提案させていただいております。

詳細な支援の内容や利用方法、契約等につきましては、お気軽に当施設までお問い合わせください。

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